おすすめ本

日頃読んでいる本を忘れないよう書き留めています。カテゴリに索引がありますので、そちらからどうぞ!
 
 
カテゴリー
リンク
グーパーウォーク
最近のコメント
最近のトラックバック
こどもの本

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

裁判員 ―もうひとつの評議 著:小杉 健治 

久々に面白い本に出くわしました。
昨年から司法に導入された『裁判員』を題材としたお話です。今のところマスメディアから聞こえてくる裁判員制度は、前評判とは裏腹に思った以上のよい成果を上げている様です。参加した裁判員からも、「参加してよかった」「いい経験になった」などと前向きな意見が聞かれます。
しかし、本書を読むと、裁判員制度にはこんな怖い要素が含まれているのかと思い知らされました。その怖さとは、もともと市民感覚を判決に反映しようという試みが、その裁判員本人を苦悩の生活へと追いやる可能性があるということです。



(あらすじ)
母娘殺人事件の裁判員に堀川は選ばれた。被告人は、幼少のころに追った火傷の傷のため顔は醜く、それを理由にいじめにあい、人とうまく付き合っていけない人間だった。

被告人は、殺害された娘 並河留美子と出会いサイトで知り合い、メールを重ねているうちに親密な関係になっていく。会いたいという衝動に駆られ、留美子も同意のもとで出会い交際をすすめた。ところが、お金の工面に苦労していると打ち明けられ、留美子に資金援助をすることになる。最初こそ金額は小さかったが、徐々にエスカレートしてきた。あるとき300万を要求され、被告人はそれと引き換えに結婚を迫ろうと彼女の家に出向いた。その話し合いがもつれ、かっとなって母娘を殺害した。

というのが、被告人にかかった嫌疑であった。裁判員は、法廷で審議を重ね、そこで検察側、弁護人側から提出された証拠を元に討議を重ねる。もちろん裁判官の指導の下で。しかし、検察、弁護人から出された証拠は、どれも決定的なものではなかった。そんななか、結審を迎えてしまい判決を決めなければならなくなった。
その判決を討議する中で、ある裁判員が審議中に出てこなかった事実を見つけてしまった。その内容は判決に大きく影響する内容だと誰もが思い、再審議をすべきだと考えた。ところが、裁判官から出た忠告は、すでに結審された裁判をやり直すことはできない、判決の判断材料は審議で出た証拠のみで、いまここで議論して出てきた推論は考慮すべきではない。ということだった。裁判員は反発したが、結局従わざるを得ない。

「市民感覚を法廷に」からおよそかけ離れたものであった。また、もう一つ下す判決の決定プロセスに問題があるのが、選ばれた裁判員によって判決は正反対に出されるというものだった。今回、中途半端な審議での判決で、一人有罪賛成が多かったために、有罪となり、さらに無罪主張をした裁判員も、量刑を決めなければならないのだ。結局、判決は『死刑』となった。無罪主張した裁判員も、これで被告人にとっては「死刑判決を下したものの一人」になるのだ。

被告人は、即刻控訴したが、拘置所内で血で『ムザイ』と残し自殺を図った。一命は取り留めたものの、その衝撃は裁判員にとっては計り知れないものとなった。

このあとのストーリーは、是非読んでみてください。



裁判員の一人が途中こういいました。「所詮裁判はゲーム。人選によって無罪にもなるし有罪にもなる。結局素人がやることだから、運不運できまること。」これを聞いて空恐ろしくなりました。


裁判員―もうひとつの評議裁判員―もうひとつの評議
(2010/04)
小杉 健治

商品詳細を見る

みなさんの応援が継続の力となります。1クリック応援よろしくお願いします!
 にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ blogram投票ボタン

スポンサーサイト
コメント















 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
 
http://recommendedbooks.blog47.fc2.com/tb.php/168-368c9d76
ブログ内検索
FC2カウンター
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

10月 | 2017年11月 | 12月
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -


通信販売
Blogで紹介!
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。