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こどもの本

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ジェノサイド 著:高野 和明 

年末年始に少し時間が取れたので、前々から読んでみたかった本にようやく手を付けることができました。
「30万部突破!」のベストセラーとなっており、また、本屋の宣伝文句からも相当期待してました。

読み始めてすぐに本の世界へ引き込まれていきました。あっという間でした。
期待通り、いやそれ以上の面白さです。好きな作家、楡氏と同等です。
エンターテイメント小説の中でも群を抜いている感じです。

読んでいくと、謎がテンポよく次々と現れ、どんどん読み進みたくなる展開。
それでいて、謎が謎を呼び結局なにがどうなっているかわからなくなる小説と違って、頭の中で明瞭に世界を描けるのです。
ですので、本なのに映画を見ているようでした。

また、専門的な内容もかなり詳細に調べられている感じで、それでいてわかりやすかったです。

話の締めくくりもすがすがしい気持ちで迎えられ、読み切ったという充実感いっぱいになります。
ぜひぜひ、読んでみてください。



(概要)
「超現生人類が表れたとき、現生人類の生存は危ぶまれる」という報告書が、何年も前にアメリカで報告されていた。
そして、それと推測できる事実がアフリカのコンゴで出現しているかもしれないと、アメリカが察知した。
アメリカが一番恐れていること、それは「暗号の解読を容易に行うこと」。
現在の暗号は、素数を利用したもの。素数は、1かそれ自身の数でしか割り切れない数のこと。
ただ、現生人類では、素数を容易に割り出す規則性を見つけられていない。
暗号は、それを利用して成り立っている。
つまり、素数が容易にわかってしまう者が現れたら、現在のITは丸裸同然になるため、アメリカは非常に恐れている。

コンゴにそれに該当する生物が誕生した可能性があった。
アメリカは直ちに、そして極秘中の極秘で、その生物の抹殺作戦を開始した。



ジェノサイドとは、、「大量虐殺」の意味。
アフリカの内戦場が舞台となっており、ジェノサイドの場面が多数あらわれます。


この本は、超現生人類と現生人類との知恵比べとなっています。
さぁ、どちらが勝つか!?勝敗は如何に!?



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下町ロケット 著:池井戸 潤 

ちょうど1年ぶりですが、久々にupします。
もうあまりに有名なので、いまさら何をと言われるかもしれませんが、私の好きな池井戸氏の作品についいてです。

この本を通してあらためて『夢』について考えさせられました。



(あらすじ)
佃製作所の佃社長は、もともと親から町工場を継ぐ意思はなく、もっぱら宇宙航空学の研究に従事していた。その中で実験衛星ロケットの打ち上げの任務を担当。ロケット名は「セイレーン」。予算も時間もない中やっとの思いで打ち上げまでこじつけたが、結果はあえなく失敗。打ち上げ後まもなく軌道から外れ、墜落の危険があるということで責任者より破壊指令が下され、海の藻屑となった。そして責任を取り、研究に終止符を打った。

継いだ工場でまもなくして、大きな難関が待ち構えていた。大口顧客から内製化するから取引を打ち切ると一方的な通達があった。景気低迷でどの企業もコスト削減に必死なのだ。これにより当年度の売り上げが立たなくなり、赤字へ転落となる。
さらに、もう一つの問題が勃発。それはライバル会社ナカシマ工業からの特許権侵害の訴訟だった。ナカシマ工業は、法令擦れ擦れの手法で弱小企業を次々と買収していることで有名だった。ナカシマ工業にとっては、自社発展の手段と位置づけられている。訴訟内容は、ナカシマの製品の類似品を佃製作所が販売していることへの差し止めだ。
しかし、ナカシマはこの訴訟で勝つことがゴールではなかった。ナカシマは、佃製作所の足元を見てきたのだ。大口顧客からの取引中止で、財務的に厳しいこの時期の訴訟費用等体力を消耗させ、和解に持ち込みたい考えだ。和解方法としては、佃の株過半数を取得し、佃をナカシマの傘下に収めること。そうすれば、佃の特許物ともすべて自由に使える。
ただ、ナカシマに誤算だったのは、佃側について弁護士だった。不当な手法でやりたい放題やっているナカシマを快く思っていない切れ者の弁護士だった。この弁護士は、逆に別の特許侵害で訴訟を起こし、ナカシマは引き下がるしかなかった。さらに、今までの負債を帳消しにして余りある賠償額を勝ち取った。

佃製作所には、セイレーン失敗の原因であったバルブシステムの開発に取り組み、その特許を取得していた。今度はその特許を巡り会社あげての奮闘が始まる。
帝国重工が自前でロケットエンジンの開発を進めていた「スターダスト計画」があり、その中でどうしても佃が持っている特許が必要になったのだ。もちろん帝国重工も開発を進めていたが、佃がタッチの差で先に特許取得をしていたのだ。帝国重工には時間がなかった。取りえる選択肢として、特許権の買い取り、もしくは、特許独占使用の契約しかなかった。しかし、佃はいずれも拒否。佃の考えは、バルブシステム製品の提供だった。しかし、佃製作所内では賛否両論、いや否定の声が支配していた。従業員の中には、社長の横暴、自己満足などと罵声が飛び交う。しかし、佃は曲げなかった。確かにバルブシステムは、他への応用が利かず、ロケットエンジンでしか今のところ使うことができない。そうなれば、特許使用料のみもらっていたほうが得策。でも、佃はもっと先を見据え、佃製作所がロケット開発にかかわっているというステータスを手に入れ、自社の発展、そして、自分のみではなく社員に夢を持って働いてほしいと願いが込められていた。
帝国重工では、今まで取引もなく吹けば飛ぶような弱小中小企業からロケット部品を納入する選択肢はあり得なかった。何とかして、特許権独占使用契約を結ぶ必要があった。が、その責任者財前部長が佃製作所を視察した際に受けた印象から、考えが一変した。従業員の士気、技術、工場環境。どれをとってもレベルが高く、帝国重工のそれを凌駕さえしているように感じた。しかし、トップの考えはあくまで独占使用。財前の苦悩は続く。



この後の帝国重工と佃製作所の交渉は、ぜひ本でご覧ください。最終的に佃製品を搭載したロケット打ち上げまで、涙なしでは語れません。
交渉の中で佃製作所の従業員がばらばらとなってしまいますが、社長の一途な夢への思い、そしてなにより自分たち、佃製作所のプライドを掛けて帝国重工へ挑む姿から勇気がもらえます。そして、今の自分の夢、やりたいことに置き換えて考え、これからどうしようかと考えさせるものでした。


下町ロケット下町ロケット
(2010/11/24)
池井戸 潤

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塩の街 著:有川 浩 

はじめて有川氏の作品を読んでみました。有川氏のデビュー作であり、第10回電撃小説大賞受賞作でもあります。
話のあらすじはリンクページを見ていただくとして、今回読んだ作品は、デビュー作の本編を大幅改稿し、さらに番外編が4編追加されているものです。改稿といっても、デビュー作を読んだわけではないので、どこがどう改稿されているか残念ながらわからないのですが・・・ リンクページのあらすじには大筋変更はありませんでした

肉体が塩と化してしまう塩害の世界を舞台に、三十前の秋庭と二十歳前の真奈の心の変化をリアルに描いた作品です。いつまでも子ども扱いする秋庭とそれに反発し、女としてみてもらおうとする真奈のやり取りが、何ともほのぼのとさせたり、ハラハラドキドキもさせてくれます。読んでいて飽きのこない展開で、ひきつけられるものがありました。

また、番外編では、本編で塩害の拡大回避にめどがたった後のことが書かれていました。
 ・ノブオとの出会い
 ・入江のその後
 ・野坂夫婦の馴初め
 ・秋庭と真奈の結婚
それぞれ、登場人物の心境がうまく表現されていて、個人的には、楡周平氏に匹敵するエンターテイメント作家ではと思ってます。

ちなみに、有川氏の自衛隊作品には、もう2作あり、『空の中』『海の底』もこれから読んでみたいと思います。


塩の街塩の街
(2007/06)
有川 浩

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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 著:岩崎 夏海 

今年話題となった本を取り上げてみました。ずっと、図書館で予約していましたが、順番が一向に回ってこないため、とうとうしびれを切らして買ってしまいました。

読み終えて感じたことは、少し無理がある展開ですが、物語としては全然OKで、よく出来たシナリオです。そして、面白いし、勉強になるし、感動もする一石二鳥も三鳥にもなる本だと思います。
私も企業に属している人間なので、組織とは何ぞや、マネジメントとは何ぞやということは、知っておくべきで、それを簡単に触れさせてくれる入門書として最高です。この本をステップにして、ドラッカーのマネジメントに入っていけば、より深く理解できると思います。

今回は、いつものようにあらすじの書き込みはしません。あちこちで取り上げられている本なので、不要でしょう。もし、まだ読んでいない方がいたら、ぜひ読んでみてください。会社員の方はもちろんのこと、主婦の方も、学生も。全然難しくかかれていないので、高校生でも、もっと言うと中学生でも問題ないと思います。

私は、最後の展開に目がうるうるしてしまいました。



もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだらもし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
(2009/12/04)
岩崎 夏海

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プライド 著:真山 仁 

真山氏の作品を久々に取り上げます。
この本は、短編集となっており、すべての話がタイトルの通り『プライド』にまつわるものです。

あとがきで真山氏は、こう言っています。

己の生き方に矜持があれば、どんなことでも乗り越えられる

ただ、その矜持(プライド)が、バブル崩壊以降の日本人にはない気がする。リーマンショック前まで続いた好景気も、株価が上がり、企業業績も順調だったが、働く人たちにはあまり実感がなかった。何のために人は働き、そして矜持をどう持てばいいのか、もしくは守ればいいのか。
そんな悩みを解消してくれるような話が、この本には書かれています。

その中の一つの話について少し触れてみます。



短編タイトル:プライド

パリジャン製菓で「消費期限切れの牛乳を使用」「工場はバイキンだらけ」という雑誌記事が掲載された。まさしく、内部告発だった。会社上層部は、柳澤を犯人だと決めつけ詰め寄った。パリジャンは創業100周年を迎える老舗。これを機に創業精神に立ち返ろうと100年委員会が発足し、柳澤は、そのリーダー的存在だった。委員会で取りまとめた内容は、建白書として取りまとめられ、その中には「品質よりもコスト重視過ぎる点があるとし、例として、告発に近い内容のことが行われている」と書かれていた。
ただし、上層部(創業一族)はこれを認めず、委員会メンバーを敵視していた。
そんな中で、この記事の内容に対する対策も後手後手となり、対応についても世に反したものとなってしまった。調査の結果、告発者は、過去に数々のヒット商品を生み出したマイスター檜垣だったことが判明した。檜垣は元柳澤の上司で、最後の職人と言われ品質には非常に厳しかった。その職人が、内部告発に出た。それは、この会社を憂いてのことだ。会社からのコスト削減指示を優先させられ、自分が守り続けた品質をないがしろにされた。職人にとって許しがたいことだったに違いない。檜垣は、自分のプライドを掛けて、この会社の真の会社に更生させようと賭けに出た。



6つの短編とも、さまざまなプライドが描かれています。是非読んでみて自身の矜持について考えてみてください。


プライドプライド
(2010/03)
真山 仁

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検察者 著:小杉 健治 

久々のアップです。
前回に引き続き、小杉氏の本を手にしてみました。前回は、裁判員のお話でしたが、今度は検察審査員のお話です。
検察審査会といえば、最近話題の小沢氏騒動でよくその言葉を耳にします。この審査会、裁判員のように一般国民から抽選で決まるのですが、実はずいぶん昔からこの制度があるのです(戦後すぐに。GHQの指導らしい)。あまり知られていな制度ですが。
この制度は、検察が不起訴とした場合、検察審査会で審議し「不起訴相当」「不起訴不当」「起訴相当」の三つの判断をします。
検察審査会で2度「起訴相当」となった場合、強制的に起訴(裁判)になるのですが、小沢氏はこの制度そのものを否定しようとしています。これは、まさに国会議員の横暴だと思います。

話が本からそれました。
『検察者』では、検察審査会をも国会議員の圧力により不当な道へと導かれてしまうさまが描かれています。



(あらすじ)
鷲尾塾と呼ばれるビジネスマンとしての精神を鍛える研修で事件は発生した。しごきにより人一人が死んでしまったのだ。研修生の話から講師の行き過ぎた指導、いや「しごき」が原因と思われた。しかし、検察はそれを不起訴とた。鷲尾塾のバックには、大物国会議員がおり、そこから事件を表ざたにしないようにと圧力がかかったのだ。鷲尾塾は、政治資金を集めるための組織だったのだ。
亡くなった夫の妻は、最初こそ不起訴を不服としていたが、すぐに不幸な事故として心の整理をしてしまった。鷲尾塾から示談金がかなり積まれたらしい。
この事件について、ひょんなことから検察審査会で審議されることになった。

もう一方で、妻の不倫相手に脅され自殺に見せかけて殺してしまう事件が発生した。この事件については、すぐに犯人が逮捕された。しばらく犯人は罪を認めず、黙秘を続けていた。しかし、警察が殺しの一例を口にすると、犯人は打って変ったように犯行を認め、殺しの動機、殺害の方法について話し始めた。検察は、いろいろ調べ上げた結果、起訴に踏み切った。しかし、この検察者は、どうしても別に真犯人がいるような気がしてならなかった。



実は、2つの事件は、密接につながりのある事件でした。また、裁判にかけられた犯人は冤罪で、真犯人は別におり、大芝居をしていたのです。
このお話は、いろいろな立場の人がそれぞれの思いで生きている姿が描かれており、結構複雑ですが読み応えのある本です。検察審査会での審議のやり取りや裁判の内容についても、リアルなものに感じます。


検察者検察者
(1992/12)
小杉 健治

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裁判員 ―もうひとつの評議 著:小杉 健治 

久々に面白い本に出くわしました。
昨年から司法に導入された『裁判員』を題材としたお話です。今のところマスメディアから聞こえてくる裁判員制度は、前評判とは裏腹に思った以上のよい成果を上げている様です。参加した裁判員からも、「参加してよかった」「いい経験になった」などと前向きな意見が聞かれます。
しかし、本書を読むと、裁判員制度にはこんな怖い要素が含まれているのかと思い知らされました。その怖さとは、もともと市民感覚を判決に反映しようという試みが、その裁判員本人を苦悩の生活へと追いやる可能性があるということです。



(あらすじ)
母娘殺人事件の裁判員に堀川は選ばれた。被告人は、幼少のころに追った火傷の傷のため顔は醜く、それを理由にいじめにあい、人とうまく付き合っていけない人間だった。

被告人は、殺害された娘 並河留美子と出会いサイトで知り合い、メールを重ねているうちに親密な関係になっていく。会いたいという衝動に駆られ、留美子も同意のもとで出会い交際をすすめた。ところが、お金の工面に苦労していると打ち明けられ、留美子に資金援助をすることになる。最初こそ金額は小さかったが、徐々にエスカレートしてきた。あるとき300万を要求され、被告人はそれと引き換えに結婚を迫ろうと彼女の家に出向いた。その話し合いがもつれ、かっとなって母娘を殺害した。

というのが、被告人にかかった嫌疑であった。裁判員は、法廷で審議を重ね、そこで検察側、弁護人側から提出された証拠を元に討議を重ねる。もちろん裁判官の指導の下で。しかし、検察、弁護人から出された証拠は、どれも決定的なものではなかった。そんななか、結審を迎えてしまい判決を決めなければならなくなった。
その判決を討議する中で、ある裁判員が審議中に出てこなかった事実を見つけてしまった。その内容は判決に大きく影響する内容だと誰もが思い、再審議をすべきだと考えた。ところが、裁判官から出た忠告は、すでに結審された裁判をやり直すことはできない、判決の判断材料は審議で出た証拠のみで、いまここで議論して出てきた推論は考慮すべきではない。ということだった。裁判員は反発したが、結局従わざるを得ない。

「市民感覚を法廷に」からおよそかけ離れたものであった。また、もう一つ下す判決の決定プロセスに問題があるのが、選ばれた裁判員によって判決は正反対に出されるというものだった。今回、中途半端な審議での判決で、一人有罪賛成が多かったために、有罪となり、さらに無罪主張をした裁判員も、量刑を決めなければならないのだ。結局、判決は『死刑』となった。無罪主張した裁判員も、これで被告人にとっては「死刑判決を下したものの一人」になるのだ。

被告人は、即刻控訴したが、拘置所内で血で『ムザイ』と残し自殺を図った。一命は取り留めたものの、その衝撃は裁判員にとっては計り知れないものとなった。

このあとのストーリーは、是非読んでみてください。



裁判員の一人が途中こういいました。「所詮裁判はゲーム。人選によって無罪にもなるし有罪にもなる。結局素人がやることだから、運不運できまること。」これを聞いて空恐ろしくなりました。


裁判員―もうひとつの評議裁判員―もうひとつの評議
(2010/04)
小杉 健治

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腐蝕の王国 下 著:江上 剛 

西前は、藤山と裕子の間にできた子を引き取り、育ててきた。妻には、その子の父が誰かを明かさずにいたため、ノイローゼになり家庭崩壊かと思う時期もあった。かたや藤山のほうは、自分の子供がこの世に生を受けたことも知らずに、相変わらず銀行トップへと野心を燃やしていた。

藤山が頭取、西前が副頭取を務めるにまでなり、東名富国銀行をもっと強く大きくすることに躍起になればなるほど、裏ではいろいろな手を使う必要があった。東名銀行と富国銀行の合併の際にも、藤山は自分の東名銀行が有利なように合併協議を進めれるよう便宜を図り、不良債権などの飛ばしを見つからないよう裏工作をした。

しかし、将来この飛ばしが金融庁や当時部下だった者たちの逆襲に会い、藤山自身を追い詰めていくことになる。そして、さらに忠実の部下だと思っていた西前までもが、藤山を裏切ることになる。藤山は、最後には観念し自ら身を引くことを決める。

そして、運命のいたずらか、クライマックスでは藤山、西前、裕子、そして西前の一人娘が顔を合わすことになり、藤山にとって、西前にとっても最終清算をすることになる。



実際に読まれて、銀行膨張の過程、藤山が裏切られる過程、裕子の人生、西前の妻の葛藤など、様々な要素をじっくり見てみてください。

ただ、やはり小説の世界。実際には、こんなことはありえない。
また、自分の好きな作家 楡氏と比べると、場面の表現力がいまいちで、リアリティーにかけているような気がしました。


腐蝕の王国〈下〉腐蝕の王国〈下〉
(2005/04)
江上 剛

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絵本 きゅうこうだ いそげいそげ 作:ベネディクト・ブラスウェイト 

子供は電車が好きですね。なぜなんでしょう。
図書館に行ってこの本に出会ったとき、子供が真っ先に「この本読んで!」とねだってきました。

「まっかなちっちゃいきかんしゃ」がわけあって冒険するお話です。挿絵もきれいで子供たちは、その絵に対してあーだこーだと言って面白がっていました。



(あらすじ)
オタノシミマチでお祭りがある日のことです。急行列車が故障で動かなくなってしまいました。そこで、急遽お客さんを乗せて目的地まで運ぶことになったのが「まっかなちっちゃいきかんしゃ」です。今までぷんぷん怒っていたお客さんも、古い機関車にすごく不安を覚え心配そうに乗り込みました。
でも、運転手のダフィは何も気にせず、「がんばりますから!」といい出発しました。

途中、いくつもの駅に止まりますが、最初はスピードに乗れず、乗客から「おそい。おそい。」とクレームの嵐。しかし、ダフィは「がんばりますから」といいお気楽に出発します。
そうこうするうちに、機関車はどんどんスピードを上げ、こんどは乗客の一部から「もっとゆっくり走れ!」という声が上がる始末。

とうとう、じかんどおりオタノシミマチにつきました。
乗客はみんな一様に機関車にお礼を言って楽しいお祭りに出かけました。



読み聞かせていると、子供たちは機関車に「がんばれ!がんばれ!」と応援をしていました。目的通り駅に着くと「ばんざーい」とよろこんでいます。
これをみて、子供たちと電車にのってどこかに行きたい気分になりました。

ところで、子供は電車が好きと冒頭で言いましたが、そういえば大人も好きな人多いですね。


きゅうこうだ いそげいそげ―まっかなちっちゃいきかんしゃのぼうけんきゅうこうだ いそげいそげ―まっかなちっちゃいきかんしゃのぼうけん
(2007/09)
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腐蝕の王国 上 著:江上 剛 

またまた、江上氏の作品を手にしてしまいました。経済小説に目がない私は、どっぷり浸かりそうです。

バブル期から崩壊にかけて銀行がどう生き延びて行くかが描かれたものです。東名富国銀行の頭取である藤山と副頭取である西前が、あの手この手を使ってのし上がって行く様が、したたかに残存している銀行のそれを表しているようです。



(概要)
藤山と西前は上司と部下の関係であり、また、他人に絶対に知られてはならない秘密を互いに握っている関係でもあった。それは、西前が若いとき、自らのミスで会社に多大な損害を与えてしまい左遷が確定的であったが、ある条件で藤山に栄転にしてもらい、一生藤山の部下(奴隷という表現の方が正しいか)としてあり続けた。一方、藤山は、新入社員の女子社員に手を出し、子供を作ってしまった。ゆくゆくは、頭取を狙っていた藤山にとって、スキャンダルを一番恐れ、西前に秘密裏に始末(堕胎)するよう命じた。これが条件にあたる。

しかし、西前は本当のところ堕胎の説得に成功したわけではなかった。この事が藤山に知れたら、もちろん一貫の終わり。実は、西前はその女子社員と面会を重ねた結果、愛情を覚えてしまったのだ。その結果出した結論は、生まれてきた子を自分の子供として引き取ると言うことだった。

藤山は、善くも悪くもリーダーシップに長けた人だった。もちろん、西前はそこに惚れ込んでしまい、自分に卑劣な命令を下した上司への批判を押さえ込んできた。出世のためであれば周りへの配慮、調整は、想像がつかない程きめ細やかだった。特に、銀行の不正をひた隠すための裏取引については目を引く。

藤山には敵は多く、たびたび追い落とし攻勢を浴びせられる。西前も金魚の糞のように藤山のそばにいるため、良く思われておらず、同様に攻撃の的になっていた。その攻撃を押さえ込めるかどうか、正念場に立たされた。

下巻につづく


藤山のあまりに身勝手な行動は、許し難いものがあります。ここまでして藤山について行く西前も信じられません。
それから、この物語ですごく不自然に感じたのが、西前の妻が他人の子を育てる事を同意した事です。読んでいただければ分かりますが、普通、このスチュエーションだと同意する事はあり得ないのでは?と思います。ただ、西前の妻には子供を宿す力がなく、その辺の心境が強く影響しているのだと思います。

腐蝕の王国〈上〉腐蝕の王国〈上〉
(2005/04)
江上 剛

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